現代F1再考、あえてアンチ資本主義。。。

ウィンブルドンがはじまって、せっかく錦織圭くんの試合を見てたのだが、怪我で途中デフォしてしまったので、代わりに、フランスのマニクールサーキットで行われたF1GPのビデオを見た。今年のF1は走行シーンがアグレッシブで、去年よりも断然面白い。トラクションコントロールと呼ばれる、クルマの挙動を自動コントロールする機能が、今年のレギュレーションから廃止された為、タイヤが滑ってるのをドライバーのコントロールテクニックでねじ伏せていく様子が非常によく分かる。このあたり、F1主催者はエンターテイメントをよく理解しているように思う。

それでもF1黄金期と呼ばれた80年代のプロストやセナが活躍していた時代よりも、何か物足りない。トランスミッションセミオートマティックで半自動化されてしまい、今となっては日常的に体験できるドライブシミュレーションゲームと然程変わらなく見えてしまう現代F1と比べて、ちょっと昔までのF1では、それぞれ個性的なドライバー達が、自分の意思でマニュアルシフトチェンジして、絶妙なアクセルワークでコーナーを駆け抜けていくといった、素人の我々には絶対に真似のできない、神がかり的なテクニックやその人間のカリスマ性に、ファンは皆、熱狂していたのである。

技術が進歩して作業が“オートマティック化”する度に、人間が介入できる領域が明らかに少なくなる。素人が一見しただけでは絶対に分からないような“ブラックボックス”が増えるので、その当事者か、一部のよっぽど理解がある人間かオタクを除き、大半の一般見物人にとっては“つまらないモノ”となってしまう。また、今のF1は、年々、個性的なプライベートチームが減少し、その一方で沢山の資本を有する技術力の高い大手メーカー系チームが上位を占めているのが実状である。これも資本主義の流れと言えばそれまでなのだが、どうにもこうにも面白くない。

資本力が物を言うのであれば、たぶん、世界のTOYOTAが数年後には連戦連勝でワールドチャンピオンを獲得してしまうだろう。でも、ヤルノ・トゥルーリには悪いがボクはそんなのを正直観たくない。TOYOTAのクルマ(たぶん自動化されたエコカー)も絶対買わない。だって、面白くなさそうだから。。。